報告日:2021年1月11日
神奈川県は8日、新型コロナウイルスの感染経路や濃厚接触者を調べる「積極的疫学調査」の対象について、9日から県内全域で大幅に縮小すると発表した。
周囲に感染が広がると重症化リスクの高い病院、高齢者施設、福祉施設などの関係者は調査を簡略化して続けるが、それ以外は原則として調査しない。県によると、県全体で調査対象を絞るのは全国で初めて。
同県内では感染者数が連日500人を超え、感染経路不明率も60%以上の状況が続いている。積極的疫学調査は感染者に行動歴を詳しく聞き、接触した人を見つけ、蔓延を防止する狙いがあるが、医療危機対策本部室の山田佳乃担当課長は「どこに感染者がいてもおかしくない蔓延期に既に移行している。積極的疫学調査に意味がなくなってきた」と話す。
◆影響が他の都道府県に及ぶ可能性も
引き続き調査を行う病院関係者らに対しても、個人的な会食やイベントの参加者については聞き取りをしなくなる。学校や幼稚園、保育園の関係者については、感染拡大の恐れなど状況に応じて調査するか決める。